体臭があると、どうしてもコンプレックスを抱いてしまいがち。そのことを伝えるべきか、隠し通すべきか、とにかく悩みに悩んでしまいますよね。
けれど、本当に心から信頼できる人や、大切にしたい人とは、余計な気を遣わずにいられる関係になりたい。・・・そんな時、自分の体臭のことを伝えてもよいの?そんな風に悩んでいる方は、勇気をもらえるお話しです。
彼氏に自身の体臭のことを伝えるべきか、やめておくべきか。彼女はどんな決断をしたのでしょうか?そして一体どんなことが起こったのでしょうか?
結婚前の彼氏に、体臭のことがばれないか不安だったころのストーリー
かれこれ10年ほど前の話になります。
私が大学2年生の時に初めてお付き合いしたのが今の夫です。私たちは共通の友人の紹介で春先に出会いました。
彼は大学の寮で暮らしており門限が厳しかったので最初のころのデートは映画を見て夕飯を食べて、駅の改札でバイバイするのが私たちの定番コースでした。
私も忙しい運動部に所属していたこともあり、土日に映画デートできるのは月に2回ほどでした。彼とデートを重ねるうちに彼の優しい気遣いや家族想いのところに惹かれていきました。
彼は同じ大学生でしたが4年生だったためか、恋愛経験の少ない私よりも積極的に恋愛のステップを進めていこうとしていました。
手をつないだりすることから、キスまではなんとか私もついて行けたのですが、その先のことは不安がありました。理由は私の脇の臭いです。
緊張すると臭くなるワキ
私の脇の汗は困った特徴があり、運動しているときは臭い汗ではないのですが、緊張しているときにかいた汗はワキガのような嫌な臭いがします。
きっとこの緊張汗の臭いは人と接近してもわからない程度だとは思うのですが、やはり内心は「臭いって思われてないかな」と不安に思っていました。
彼とのデートでも気合を入れて彼の好きなシックなシンプルコーディネートで行きたいのですが、白いシャツは汗シミが黄ばんでしまいますし、グレーのシャツは脇から胸の横のあたりまで汗シミが広がってしまうため着ることを避けていました。
彼氏に体臭のことを告白したストーリー
季節が夏に移り変わっていくとともに薄着になる季節になり、私の不安は大きくなっていきました。
いつか彼に脇の臭いについて気が付かれてしまうのではないか、もしかしたらもう気が付いているけれど優しさから言わないでくれているのかなど、他のことが考えられないくらい私の頭の中は臭いのことでいっぱいになっていました。
告白はデートの後で…
彼に思い切って臭いのことを告白したのはあるきっかけがありました。それはいつものように映画デートを終えた後に電車に取っていた時のこと。
吊革につかまって二人で並んでおしゃべりしていたら、彼がこちらにぐっと体を寄せてきたのです。彼としては少しイチャイチャしたかっただけだと思いますが、一瞬パニックになった私は思わず「止めてよ」と強く言ってしまいました。
彼は私に拒絶されたと思ったのか不機嫌になり黙り込んでしまいました。このままではいけないと思い、彼の寮がある急行駅に着いたときに私は告白することにしました。
実は脇の臭いを気にしていること、恥ずかしくてずっと言えなくて悩んだことを打ち明けました。彼は意外にも驚いていないようで、そこにはいつもの笑顔がありました。
体臭を告白した後で
私の決死の告白の後、彼から連絡が来なくなったらどうしようかと心配しましたが、そんなことはなく夜に1通のメールが届きました。
そこには私の体臭には少し気が付いていたけれど、そんなの全然気にならないくらい好きだし、これからもずっと一緒にいたいと書かれていました。
私は嬉しくてベッドの上で携帯電話を抱えて涙を流しました。彼の言葉は嬉しかったし、これからもっと仲良くなるために私もインターネットで情報を集めたり、友人におススメのデオドラントを教えてもらったりしました。
ずっと私を苦しめていた臭いの問題から解放されたことで、それまでよりも積極的で明るい性格になっていきました。
彼といる時間がもっと楽しくなった
これまでは彼といても何かを必死に隠すような嫌な緊張感をどこかで抱えていましたが、体臭の悩みを告白したことにより彼といる時間がもっと楽しいと思えるようになりました。
そして数か月後にはホテルにまでいく関係になっていましたが、それでも彼との関係が悪くなるようなことはありませんでした。
自分の心の中にしまい込んでいた悩みから解き放たれたことで、初めて女の子として人生を楽しめるようになりました。
体臭を告白した結果、結婚に至ったストーリー
私たちが付き合い始めてちょうど1年が経つ頃、彼は社会人になりました。
彼が就職した会社は転勤が多く、就職した最初の研修期間の3か月間は会うことができず、メールだけで関係をつないでいました。
研修期間が終了し彼が配属されたのは彼が希望していたエリアではなく、私のいるとこから新幹線で4時間もかかる地域でした。
私たちは遠距離恋愛という一般的にはハードルの高い恋愛コースを進んでいきました。
彼に会えるのは月に1度だけです。月に1度金曜日の授業が終わったら新幹線に乗って4時間かけて彼に会いに行きました。
遠距離恋愛と体臭対策
新幹線の中の空調は一律ではなく暑いときは汗をかいてしまうので、目的地に着く前にお化粧室に入りデオドラントのウェットシートで脇を拭いて、それからデオドラントクリームをまんべんなく塗り込むようにしていました。
彼に会いに行くと金曜日と土曜日はホテルに泊まりました。ホテルでも朝起きたらまずシャワーを浴びて、水気をふき取った後にデオドラントクリームを塗り込んでいました。
そんな綱渡りの遠距離恋愛を2年近く続け私も社会人になりました。
プロポーズは唐突に
お互いが社会人になって、お盆に私の地元に一緒に帰っていた時のことです。
私たちはターミナル駅のルミネでお茶をしていました。すると彼から、二人とも働いて貯金もできてきたことだし次の勤務地は〇〇の地元だから籍を入れて一緒に暮らそうと言われました。
唐突なタイミングでのプロポーズだったので私はすごく驚いた顔をしてしまったと思いますが、ずっと夢見ていた彼との結婚が実現するのだという実感がわいてきて叫びだしたいくらいの幸せを感じました。
まだ20代そこそこの私でしたが、結婚願望は人一倍強かったのでなおのこと嬉しかったです。
その後彼との約束通り地元で小さなアパートを借りて、アパートに入居する日に役所で婚姻届けを提出しました。
その3年後に子供を授かり、今は子育てに追われながらも、夫の喜ぶ顔が見たくて毎日夕飯だけは手料理を頑張っています。
体臭が原因で結婚に不安を抱いている人へ
もしあの時悩みを告白せず彼と別れていたら、今の幸せな家庭はなかったのだろうと思うと、20歳だった私が振り絞った勇気に拍手を送りたいと思います。
自分の中では最大級の悩みだったとしても、人に打ち明けてみると案外思っていた相手が示す反応とは違うこともあります。
幸せになるためには勇気が必要です。自分でも幸せになっていいんだ、体臭に悩みがあっても結婚して家庭を持てるのだということを忘れないでください。
あなたが素直になって自分と真摯に向き合えばそれに応えてくれる相手がきっと現れます。